自宅にあるお仏壇をいつ閉めたらいいのか、そもそもずっと開けたままでいいのか迷っている人もいるのではないでしょうか。やり方を間違えていたらご先祖様に失礼になるのでは…など考えてしまいます。意外と知らないお仏壇の開閉について、わかりやすく説明していきたいと思います。
お仏壇の扉にはどんな意味があるの？
そもそもお仏壇の扉には仏様と人間との境界線の役割があるといわれています。お仏壇は家にある小さなお寺ともいわれるように、本堂を模したものになります。本堂のなかにあるご本尊を安置している場所が「内陣」といい一般の人は出入りできない神聖な場所です。
従来のお仏壇（唐木仏壇や金仏壇）の「内陣」は家に例えるならばお仏壇の「障子」です。外側にあるのは「外陣」になり、家に例えるならばお仏壇でいうところの「雨戸」にあたります。それぞれの扉の意味を知っているとお仏壇を開け閉めする意味がわかりやすいと思います。
お仏壇の開閉について基本的に決まりはありません。朝起きてお仏壇に手を合わせるときにお仏壇の扉を開けて、夕方や夜仕事に帰ってきてから閉める人も多いようです。夜は仏様にゆっくりと休んで頂きたいという、思いやりの気持ちを込めて扉を閉めているご家庭が多いようです。
また当店がメインで取り扱っている「モダン仏壇・家具調仏壇」においては扉をずっと開けたままにされる方も多いです。
また宗派によってもお仏壇の開け閉めの考え方は違いますので、もし気になる場合は菩提寺さんに確認しておくと安心です。
今は扉がないお仏壇も多くあります
「ミニ仏壇・パーソナル仏壇」「自由にまつる現代風仏壇」などはそもそも扉がないお仏壇が多数あります。
常に開放感のあるスタイルとなりますが、本記事でお仏壇の扉の必要性をご家族で考えていただき、もし必要とあれば「扉のあるお仏壇」を、特に必要ないと思えば「扉のないお仏壇」の購入もご検討いただけるかと思います。
お仏壇を閉めておいたほうが良い時
来客の際に相手方に気を使わせたくない時
来客時にお仏壇に手を合わせていただくことを特にしないだろうなと思う相手が来客されるときは、扉を閉じておくのが良いでしょう。
こちらも相手方にも変な気を遣わずに済みます。
四十九日法要までの間
例えば新しくお仏壇を購入した場合は四十九日法要まではあくまで仮祭壇で供養をします。なので新しいお仏壇の扉は閉じておくのが良いでしょう。
四十九日法要の際にご本尊様やお位牌に入魂してもらったら新しいお仏壇に入れて扉を開け、供養します。
お仏壇を開けておいたほうが良い時
お盆の時期
お盆の時期は故人様・ご先祖様がご自宅に帰ってくる時期とされています。なのでお仏壇の扉を開けたままにします。ただしお位牌を盆棚（精霊棚）に移動させている場合は、仏壇の扉を閉じても問題はないと考えられています。
親戚などが集まる際
御供を持って来てくださったり、お線香をあげてくださる方が来ていただいた時にはお仏壇の扉を開けられるほうが良いでしょう。お線香を供える際に扉が閉まっていたら戸惑ってしまいます。
まとめ
お仏壇を開けておくべきタイミングもあれば、閉めておいたほうがいいケースもあります。お仏壇の形や宗派によっても考え方が異なります。お寺の本堂を模したものであるお仏壇は、仏様と人間との境界線です。開閉については必ずしもこの形にしなくてはいけないという決まりはありません。あくまでもご先祖様に感謝の気持ちを持ち、手を合わせることが大切です。
