お仏壇の「移動(家内移動~引越し)」の手順を教えます

自宅のレイアウトを変えたり、引越しするときなどもともと設置されていた仏壇を移動させなくてはいけないケースも多いのではないでしょうか。ずっとその場所に置かれていた場合、「そのまま移動させてもいいのかな?」と不安に思う人もいると思います。仏壇を家内移動するときのポイントや、引越し時のポイントについて説明していきます。

お仏壇を家内なのか別の場所に移動させるのかによって違う

基本的に仏壇は一度設置した場所から動かさないのが理想的だといわれています。でもライフスタイルの変化によって、どうしても動かなさなくてはいけないケースも出てきます。

お仏壇を今の場所から動かすときの考え方として、まず今住んでいる家のなかで移動させるのか、もしくは引越しなどで別の場所に移動させるのかによっても違います。

それぞれやらなくてはいけないことが違うこともあり、まずは、自分がどちらに該当するのかを考えたうえで必要な手順を踏んでいく必要があります。

1. 家内移動の場合

家の模様替えなどの理由で家のなかでお仏壇を移動させるとき、法要のような特別な手続きは必要ないといわれています。もしどうしても心配な場合は、お寺などに相談してもいいと思います。ただし移動するときに横に倒したり、うつ伏せにして移動させないように注意してください。またなかにあるものが壊れないように取り外せる装飾品は取り除いておきます。移動する前にお線香などをお供えこれから移動しますと手を合わせると丁寧です。

2. 引越しの場合

引越しによるお仏壇の移動の場合は、魂抜きや閉眼供養をしたあとに引越した先で魂入れや開眼供養を行う必要があります。お仏壇を運び出す前に、ご先祖様の魂を一度抜いてもらいもう一度戻す儀式のことをいいます。引越しの場合、旧居では一番最後にお仏壇を運び出します。かわって新居ではお仏壇は家財のなかでも最初に入れます。引越し業者でも知っている場合は、しっかりと対応してくれるはずです。

3. 敷地内の別家屋の場合

もともと母屋にお仏壇を置いていて離れに移動させるなど、別の家屋に移動させる場合も儀式が必要になります。所有者こそ変わらないにしても一度外に出すため、引越しと同等の扱いになります。一日のうちに済ませてしまうのが一般的になり僧侶の方に二度足を運んでいただく必要がなくなります。

お仏壇の引越しの開眼供養のやり方

そもそも開眼供養とはお仏壇を参拝の対象からただの物にする為に必要な儀式になります。お仏壇だけでなく、お墓を処分するときにも行われるので一度は耳にしたことがあるかもしれません。ただし、浄土真宗を信仰している場合、もともと仏壇に魂を入れる考え方がないため閉眼供養は行いません。代わりに遷座法要と呼ばれる別の儀式になります。

1. お寺さんに依頼しておく

引越しが確定しお仏壇を運び出す日時が決まったら、お寺に連絡して魂抜きと魂入れの予約の手続きを済ませておきます。すぐに予約が取れない可能性もあるので、1ヶ月前にはお寺に問い合わせをします(特に大安の日は人気があります)引越し日の1週間前までに魂抜きをしておくと、引越し当日もバタバタすることがありません。

2. 魂抜き法要時にお供え物・生花を供えておく

魂入れの際に必要なお供え物を揃えます。お線香やろうそく、生花や個人の好きだったお菓子などを用意しておきます。お供え物に関してそこまで厳しいルールはありませんが、日持ちするおかきやまんじゅう・落雁・カステラなどを選ぶ場合もあります。また生花を購入するときは、1対が丁寧といえます。

3. 魂抜き法要時に僧侶の方へのお布施も用意

僧侶の方に来ていただき、お経を読んでもらったあとにお布施を渡します。お布施の金額はお寺さんとの関係性によっても違いますが10,000円~30,000円程度にしておき、不安な場合はお寺に確認してみてもいいと思います。白い封筒にお布施と印字された封筒にお金を入れます。お金をそのまま渡すのはマナー違反になります。

4. 魂抜きをしていただく

お仏壇を移動する前に僧侶の人にお経を読んでもらいます。時間にして10分~20分程度の時間になります。このときの服装は喪服である必要はありませんが、あまりにもカジュアル過ぎる洋服だったり華美なものにならないように気を付けてくださいね。僧侶の方に遠方から来ていただいた場合は、お車代も用意しておきます。引っ越しの際はお仏壇は旧居から一番最後に出します。

5. 開眼供養(遷座法要)をしていただく

お仏壇を新居に移動する際は家財などよりも先にお仏壇を新居に入れます。その後飾り付けをして開眼供養をしてもらい、入魂をしてもらいます。準備は魂抜きの法要の際の準備と同じで大丈夫です。

お仏壇を設置するのに適している場所

家内移動や引越しでお仏壇を移動させ設置する際に、適している場所かどうかの見極めも必要になります。例えば直射日光が当たる場所や湿気の多い場所におくと傷みやすくなります。またお仏壇の方角は「東面西座」の西側を背にして正面を東に向けると考える人もいれば、「南面北座」で北側を背にして南を正面にしたほうがいいと考える人もいます。

向きは宗派によっても違うので、これらの位置も踏まえたうえでお仏壇の設置場所を決めるようにしてみてください。また宗派によっては総本山の方角を背にするべきと考える場合もあります。

お仏壇の設置については下記の記事もご覧ください。

まとめ

お仏壇の家内移動や、離れへの移動、引越しなど今の場所をなにかしらの事情で動かさなくてはいけないこともあります。動かすことが悪いのではなく、必要な手順で行うことが大切です。

お仏壇の移動と引っ越し
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